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出版社からの内容紹介
毎年、数十万人もが受験する「大学入試センター試験」の国語には、
小説問題が必ず出題される。しかし、これらの問題には高校の授業では
教えてくれないルールが隠されていて、選択肢もそのルールをふまえた五つの法則によって
作られているから、それを知らなければ太刀打ちできないのだ。
また、国公立大学の二次試験にも小説問題が出題されるが、
これもそのルールを前提とした独特の読解法が求められている。
本書では、最近の受験小説の中から代表的な問題を選び、
入試国語の隠されたルールを暴きながら、独自の読解法をあなただけに伝授する。
もう一度、小説の醍醐味を味わいたいと思っている社会人にも必読の一冊。
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そうだったのか!
受験の頃をはるかに過ぎて読んだが、内容を読んで「そうだったのか!」と膝を打ってしまった。
・小説を読むこととは、「書かれていないこと」を「読む」行為である。
・すべての小説は「○○が○○する物語」「○○が○○になる物語」として読むことが可能
であり、そこから本格的な「読み」の冒険が始まる。
・物語と小説とは、根本的に違う。
以上のようなポイントが具体的かつ丁寧に説明されていて、
これから自分も「小説が読めるようになってやる!」というモチベーションを高めてくれる。
要は、対象に対して主体的に深くかかわっていこうとする姿勢が大事なのだ。
受験国語だけでなく、人生全般においても通じる教訓かもしれない。
センター試験現国がなぜわからないかがよくわかる
著者は、「秘伝 中学入試国語読解法」での論をさらに発展させ、
大学入試問題で学生に求められる「小説を読む」ということの本質を、解明する。
小説においては、「登場人物の気持ち」を文中に明記すると面白くない。
それではネタばれ、小説は台無しだ。だから作者はわざと隠す。
暗喩を文中にちりばめる。この暗喩を読み解く。
メタファーからタネを解き明かすことを楽しむ。
高度な解釈は幾通りもありうるがそれはプロの仕事。
入試問題では、暗喩の解釈は一通りに収斂されるように問題が作られている。
その土俵内ルールとパターンを認識すること。入試問題と、
本一冊を読んで多様な解釈を楽しむのとは違う。 というのが、著者の主張である。
それにしても、やはり高度な小説解釈の方法論を駆使している。
国語が好きな人にはついていければセンター試験の小説のまぎらわしい選択肢を
読み解く力がかなりつくと思うが、小説が根っから苦手な人にはこういうテキスト解釈の方法論
自体が、途方にくれるような難解なものに見えるのではないだろうか。
男女・親子の相克がテーマに多いだけに、精神的成熟も必要だ。概して単純で幼稚な受験生にはハードルが高い。
一、二度読んだくらいで方法論が身につく本ではない。奧は深い。
大学入試問題「小説」の読み方
極めて特殊な文学的営みでありながら、今や4割を越える日本人が経験する
大学入試「国語」。大学入試問題に取り上げるに適切な小説の要件は何か。
試験問題はどういう観点から作成されているのか。
そして小説を読み解くとはどういうことか。大学入試「国語」の中でも
扱いにくい小説に的を絞って論じたのが本書である。
著者の石原千秋は、受験国語について数多くの問題提起を行っている。
元来は漱石の研究者であるが、その余技の範囲を遙かに越えた熱意と地道な
努力は見事に本書に結実している。
「小説を読む」とは「登場人物の気持ちを読む」ことだ。気持ちは文中に書かれていないから、
その省略された部分をメタファー(暗喩)で読む。簡単に言えば、これがエッセンスだ。
そのエッセンスを、山田詠美『眠れる分度器』など、
大学入試センター試験及び二次試験の14の過去問を使って、
著者は丁寧に解説している。解説は道草を楽しむようになされていて、
受験技術の習得を目的として手に取った読者は、かなりの違和感を感じるかもしれない。
だが、大学入試「国語」を題材に、小説の読み方、深め方を考えてみたい読者には、
格好の一冊となるだろう。


